Mazzi Fine Art Blog
2020/No./ウリッセの国立考古学博物館とのコラボレーション2
2020-08-14 by
Maciイタリア国立考古学博物館:ギリシャ神話「Ulisse(ウリッセ):Odysseus(オデュッセイス)」
その神話に登場する「魔女Circe(チルチェ)の住む島」のエピソード
強力な魔力を誇る、美しい立ち姿の"Circe(チルチェ)"の彫刻
前回のブログでウリッセのエピソードを紹介しました通り、
ウリッセは、キュクロプスの盲目によって祖国帰還の航海を阻害される宿命を与えられました。
その度重なる試練の航海で疲れ果てますが、
チルチェの住む島で全身全霊を癒し、再び、祖国帰還へと航海に出る決意をします。
チルチェの強力な魔力と美しさにウリッセは癒され、自身のパワーを再建させます。
そして、チルチェはウリッセの帰還が試練の宿命に打ち勝つ為の必要なアドバイスを与えます。
1「冥界にいるテイレシアスという預言者の亡霊と話す方法の伝授」
それにより、冥界にいる預言者テイレシアスは、ウリッセ一行の旅がまだ苦難の連続であること、
しかし、それを耐え抜けば必ず故国へ帰れることを教えてくれました。
そして、ウリッセは更に、母の霊に妻子の消息を訊ねたり、アキレウスやアガメムノンの霊と出会って幾多の話を聞いたりしました。
2「セイレーンは美しい歌声で航行中の人を惑わし、遭難・難破させる怪鳥又は怪魚であり、セイレーンのいる海域を通る際の忠告」
それにより、ウリッセはチルチェの忠告通りに船員には蝋で耳栓をさせ、自分の体をマストに縛り付けました。
船員は耳栓をしている為、歌声に惑わされることはなく一心に船を漕ぎます。
ウリッセは1人だけセイレーンの歌が聞こます。その歌声を聞くと体が暴れ出しますが、
チルチェの忠告通りにウリッセは体をマストに縛り付けているので問題はありません。
セイレーンはウリッセが歌に惑わされていると判断して船を進めさせます。
そして、ウリッセの船は難破をすることなく安全領域まで進みました。
3スキュラの海峡の克服(そのエピソードについては、前回のブログに掲載)
4カリュプソーについて、
他、多くの知識(情報)と忠告を与えました。
チルチェの忠告によって、ウリッセは過酷な試練の航海を乗り越えていきます。
それは、チルチェのウリッセへの強烈な愛のエネルギーでした。
チルチェはウリッセがチルチェの住む島を旅立つ事をとても悲しみましたが、
故郷の帰還へ強い思い(責任)を持つウリッセをチルチェは愛を込めて送り出しました。
チルチェは、今も強い思いでウリッセを見つめています。
その真実のギリシャ神話 Ulisse(ウリッセ)とCirce(チルチェ) & MAZZI FINE ARTの素晴らしいコラボレーションが実現しました。
MAZZI FRANCESCO のアート作品は、常に、真実の思いの宿る物語にリスペクトが込められています。
真実の強い愛は、太陽の様に熱くいつまでも輝きます。
MAZZI FINE ART ニューコレクション 2020 「太陽の木(Albero del Sole)」
(そして、MAZZI FINE ARTの次の撮影パワースポットは、チルチェの島へと接続します。)
その内容は、後日のブログにて掲載予定。
お楽しみに・・・。
その前に、国立考古学博物館での素晴らしい撮影を更に、ご紹介します。
ここは、博物館から繋がる敷地にある、これぞ、あの偉大なる彫刻グループが発掘された洞窟がある場所です。
正面には美しい海とビーチ、
海に向かって右側の先には、「ゼウスの神殿」と「チルチェの島」が遠くに見えます。
(そのパワースポットでの撮影記録とストーリーは、次回のブログで続いていきます。)
上写真:遠くに見えるチルチェの島の写真
ここは、ティベリウスの別荘として使用されていた場所です。
この写真の中央奥に見えるケーブ(洞窟)の中で、彫刻グループは発掘されました。
この様に彫刻グループは洞窟の中に配置されていました。
下写真は、実際にその洞窟になります。
ギリシャ神話は、古代ギリシャより語り伝えられる伝承文化。
古代ギリシャ市民の教養であり、さらに古代地中海世界の共通知識でもあったが、現代では、世界的に広く知られています。
口承:今日、ギリシャ神話として知られる神々と英雄たちの物語の始まりは、およそ紀元前15世紀頃に遡ると考えられています。
物語は、その創世記においては、口承形式でうたわれ伝えられてきました。
口承でのみ伝わっていた神話を、文字の形で記録に留め、神々や英雄たちの関係や秩序を、体系的にまとめたのは、ホメーロスより少し時代をくだる紀元前8世紀の詩人ヘーシオドスです。
紀元前9世紀から8世紀頃に、「体系的なギリシャ神話」が成立したと考えられています。
考古学的資料:
ギリシャ神話の有り様を知るには、近代になって発達した考古学が大きな威力を発揮しています。
考古学では古代の遺跡から装飾彫刻や彫像、神々や人物が描かれ彩色された古壺や皿などが見つかり発掘され、研究をします。
考古学者や神話学者は、彫刻の姿や様式、古壺や皿に描かれた豊富な絵を分析して、
これらがギリシャ神話で語られる物語の場面や出来事、神や英雄の姿を描いたものと判断します。
それらの絵図は意味を含んでおり、(学者によって解釈が分かれるとしても)ここから神話の物語を読み取ることが可能であります。
他方、発掘により判明した考古学的知見は、文献に記されていた事象が実際に存在したのか、記述が妥当であったのかを吟味する史料としても重要であり、更に、文献の存在しない時代についての知識を提供します。
偉大なるアートは、偉大なる世紀を継承する役割を持っています。
あなたも、アート作品を何度も歩き見て、その意味をじっくりと読んでみてください。
(この洞窟の奥に、この彫刻グループは配置されていました。)
「ギリシャ神話」
構成
ギリシア神話は、以下の三種の物語群に大別できる。
世界の起源(→世界の始まり)
神々の物語(→オリュンポス以前、オリュンポスの世界)
英雄たちの物語(→人間の起源、英雄の誕生、英雄の神話)
神話1:世界の始まり
自然哲学的な始原の神々
神話2:オリュンポス以前
クロノスとティーターン神
オリュンポス神の台頭と勝利
神話3:オリュンポスの世界
十二の神々
オリュンポスの神々 1
ゼウスの息子と娘
十二神の息子と娘
オリュンポスの神々 2
ニュンペーと精霊たち
ニュンペーの種類
山野の精霊と河神
異形の神・怪物
神話4:人間の起源
プロメーテウスと最初の女
五つの時代と人間の生き方
神話5:英雄の誕生
英雄崇拝の歴史
ゼウスの息子
他の神々の息子
英雄崇拝とその栄光
神話6:英雄の神話
大洪水とデウカリオーン
アイオロスの裔
ペロプスの裔
テーバイ王家とクレータ王家
トロイア王家
英雄たちの結集
トロイア戦争
(神話6:英雄の神話にウリッセとチルチェは登場します。)
次の舞台は「ゼウスの神殿」になります。
MAZZI FINE ART
1 コメント :
Lica
2020-08-14 (Fri) 16:54PM
長い時間を大切に語り継がれている神話✨ーーなのに、どうしてこうも新鮮に胸に響くのでしょう? そして、ときには残酷とさえ思われる描写でさえ、今までとは違い、私の心に柔らかく落ち着きます。
きっと、MF のアートが物語の真実を伝えているからなのでしょう。
Maciさん、今日も素敵なお話をありがとうございます❣
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